スプリンクラー設備の使い方は、基本的に火災が発生したときに人が操作して放水する設備ではなく、火災の熱などを感知して自動的に放水する設備です。
一般的な閉鎖型スプリンクラーヘッドでは、火災によって周囲の温度が上昇すると、火災付近のスプリンクラーヘッドが作動して放水を開始します。
1.【条文】
消防法施行令第12条(スプリンクラー設備に関する基準)
消防法施行規則第13条~第14条
スプリンクラー設備の設置及び維持に関する技術上の基準に係る運用について(通知)
消防法施行令第12条では、一定の用途、規模、構造などの防火対象物について、スプリンクラー設備を設置する基準が定められています。
また、消防法施行規則では、スプリンクラーヘッド、水源、配管、制御弁、加圧送水装置などについて、設置及び維持に関する基準が定められています。
スプリンクラー設備にはいくつかの方式があり、使用されるスプリンクラーヘッドや作動方法も異なります。
2.【使用方法解説】
①火災が発生する

室内などで火災が発生すると、炎や煙とともに周囲の温度が上昇します。
一般的な閉鎖型スプリンクラー設備では、煙そのものではなく、主に火災による熱によってスプリンクラーヘッドが作動します。
②火災付近のスプリンクラーヘッドが作動する

火災による熱を受け、スプリンクラーヘッドが所定の温度に達すると、ヘッドの感熱部分が作動します。
一般的な閉鎖型スプリンクラー設備では、建物内のすべてのスプリンクラーヘッドが一斉に開くのではなく、火災によって熱を受けたヘッドが作動します。
③スプリンクラーヘッドから放水する

スプリンクラーヘッドが作動すると、配管内の水がヘッドから散水されます。
設備の方式によっては、スプリンクラーヘッドの作動に伴って流水が検知され、加圧送水装置などが作動して継続的に水を供給します。
火災の早い段階から散水することによって、火災の拡大を抑えます。
④その他 補助散水栓での消火
補助散水栓が設置されている場所
階段など、スプリンクラーヘッドが設置されていない部分には、補助散水栓が設けられている場合があります。
補助散水栓は、スプリンクラーヘッドのように自動的に火元へ放水するものではなく、人がホースを使用して消火する設備です。
基本的な使用方法は、屋内消火栓と似ています。
(1)補助散水栓の扉を開け、ホースを取り出す
火災を発見したら、補助散水栓の扉を開け、収納されているホースを取り出し、火元まで伸ばします。
(2)バルブを開け、放水する
設備の構造に従ってバルブ等を操作し、放水できる状態にし、ノズルを火元へ向けて放水し、初期消火を行います。
3.【解説・その他】
・スプリンクラー設備は、自動で火災を早期に消火したり、火災の拡大を抑制したりするための消防用設備です。
・一般的な閉鎖型スプリンクラーヘッドは、火災による熱を受けて作動します。
・煙を感知しただけで、一般的な閉鎖型スプリンクラーヘッドから直ちに水が出るわけではありません。
・一つのスプリンクラーヘッドが作動したからといって、建物内のすべてのヘッドから一斉に放水されるわけではありません。
・スプリンクラー設備には、閉鎖型スプリンクラーヘッドを使用するもののほか、開放型スプリンクラーヘッドや放水型ヘッド等を使用するものなどがあります。
・開放型スプリンクラーヘッドを使用する設備では、一斉開放弁や手動式開放弁などを使用する方式があり、一般的な閉鎖型スプリンクラー設備とは作動方法が異なります。
・スプリンクラーヘッドの周囲に物を置いたり、ヘッドを塗装したり、物をぶら下げたりすると、正常な散水を妨げるおそれがあります。
4.【FAQ】
Q1. 火災が起きたらスプリンクラーのスイッチを押す?
一般的な閉鎖型スプリンクラー設備では、建物の利用者がスイッチを押して放水させる必要はありません。
火災による熱を受けたスプリンクラーヘッドが作動し、自動的に放水します。
ただし、スプリンクラー設備には複数の方式があり、開放型など作動方法が異なる設備もあります。
Q2. 煙が出るとスプリンクラーから水が出る?
一般的な閉鎖型スプリンクラーヘッドは、煙そのものではなく、主に火災による熱によって作動します。
そのため、煙を感知しただけでスプリンクラーヘッドが開放されるものではありません。
Q3. 1個のスプリンクラーヘッドが作動すると全部から水が出る?
一般的な閉鎖型スプリンクラー設備では、すべてのヘッドから一斉に水が出るわけではありません。
火災による熱を受け、作動温度に達したスプリンクラーヘッドが開放されます。
ただし、開放型スプリンクラー設備など、複数のヘッドから放水する方式もあります。
Q4. スプリンクラーが作動したら火は消えている?
必ずしも完全に消火されているとは限りません。
スプリンクラー設備は、火災を消火したり、火災の拡大を抑えたりするための設備ですが、火災の状況によっては燃焼が継続することがあります。
Q5. スプリンクラーが作動したら水を止めてもいい?
建物の利用者が自己判断で制御弁などを操作して放水を停止することは避けてください。
一度火が小さくなっても、再び燃え広がる可能性があります。
消防隊などによって安全が確認されるまでは、設備を停止させないことが重要です。
Q6. スプリンクラーから出た水はどうやって止める?
火災が鎮火したこと、または火災ではないことを確認したうえで、作動した区域に対応する制御弁を閉めて給水を止めます。
必要に応じて排水弁を開き、配管内に残った水を排水します。
ただし、火災が継続している状態で制御弁を閉めると、消火に必要な放水まで止まってしまうため、火災中に自己判断で止めてはいけません。
詳しい放水停止の方法については、別ページで解説します。
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