屋内消火栓設備の使い方は、消火栓の種類に応じてホースやノズルを取り出し、ポンプを起動して、火元に向かって放水します。
1号消火栓では原則として2人以上で操作し、易操作性1号消火栓・2号消火栓・広範囲型2号消火栓では1人でも操作できるようになっています。
屋内消火栓設備は種類によって操作方法が異なるため、あらかじめ建物に設置されている消火栓の種類と操作方法を確認しておくことが重要です。
1.【条文】
消防法施行令第11条
消防法施行規則第11条の2
消防法施行規則第12条
消防法施行令第11条では、屋内消火栓設備を設置する防火対象物や設備の技術上の基準などが定められています。
また、消防法施行規則第11条の2では、一人で操作することができる屋内消火栓設備について、保形ホースを使用することなどが定められています。
2.【使用方法解説】
①1号消火栓
1号消火栓は、原則として2人以上で操作します。

①起動ボタンを押す
起動ボタンを押して、消火栓ポンプを起動します。
設備によっては起動ボタンが消火栓箱の中に設置されている場合があります。
②扉を開け、ホースを伸ばす
消火栓箱の扉を開け、ノズルとホースを取り出します。
一人がノズルを持って火元へ向かい、ホースが折れたり、ねじれたりしないように延長します。
もう一人は消火栓箱付近でホースの延長を補助します。
③「放水はじめ」と合図する
ノズルを持った人は、安全な位置で放水できる準備ができたら、消火栓箱側の人に
「放水はじめ」
と合図します。
④バルブを開けて放水する
合図を確認した人が消火栓の開閉弁を開きます。
ホースに水が送られたら、ノズルを持った人が火元に向けて放水します。
消火栓箱側の人は、ホースの折れやねじれなどを確認しながら、放水している人を補助します。
②易操作性1号消火栓
易操作性1号消火栓は、1人でも操作できるように改良された1号消火栓です。
今回は開閉弁でポンプが起動するタイプを例に説明します。

①ノズルを取り出す
消火栓箱を開け、ノズルを取り出します。
②開閉弁を開く
消火栓箱内の開閉弁を開きます。
開閉弁を開くとポンプ室にあるポンプが起動します。
③ホースを伸ばして火元へ向かう
ノズルを持って、ホースを延長しながら火元へ向かいます。
④ノズルを開いて放水する
安全な位置から火元に向け、ノズルの開閉装置を操作して放水します。
③2号消火栓
2号消火栓も、易操作性1号消火栓と同じく1人で操作することができます。
一般的には、易操作性1号消火栓と同じで、
①ノズルを取り出す
②開閉弁を開く
③ホースを伸ばして火元へ向かう
④ノズルの開閉装置を操作して放水する
という流れで使用します。
設備によっては、ノズルを取り外したり、開閉弁を開いたりすることで自動的に消火栓ポンプが起動します。
④広範囲型2号消火栓
広範囲型2号消火栓も、易操作性1号消火栓と同じく1人で操作できる屋内消火栓です。
基本的な操作は易操作性1号消火栓や2号消火栓と同じように、
①ノズルを取り出す
②開閉弁を開く
③ホースを伸ばす
④ノズルを操作して放水する
という流れになります。
ただし、起動方法やノズルの操作方法は機種によって異なるため、実際に設置されている消火栓箱の操作表示を確認してください。
3.【解説・その他】
・屋内消火栓設備には、主に1号消火栓、易操作性1号消火栓、2号消火栓、広範囲型2号消火栓があります。
・1号消火栓は原則として2人以上で操作します。
・易操作性1号消火栓、2号消火栓、広範囲型2号消火栓は、1人でも操作できる構造となっています。
・1号消火栓では、ホースを延長する前に開閉弁を開けると、ホースに水が入って重くなり、ホースを取り出しにくくなる場合があります。先にホースを延長してから「放水はじめ」の合図で開閉弁を開きます。
・1人で操作できる屋内消火栓では、保形ホースと呼ばれる、形を保ったまま巻かれているホースが使用されています。
・屋内消火栓設備は消火能力が高く、消火器だけでは消火が難しい火災の初期消火にも有効です。
・実際の火災では、消火活動だけでなく、119番通報や建物内への火災の周知、避難誘導なども同時に行う必要があります。
・火や煙によって退路を断たれるおそれがある場合や、濃い煙や熱気が充満してきた場合などは、初期消火に固執せず避難してください。
・放水中は水圧による反動があります。足場のよい場所から、急激な操作を避けて放水してください。
・屋内消火栓の起動方法や操作方法は設備によって異なる場合があります。平常時に消火栓箱に表示されている操作方法を確認しておくことが重要です。
4.【FAQ】
Q1. 屋内消火栓は誰でも使うことができる?
火災が発生した場合には、建物の関係者などが初期消火に使用する設備です。
ただし、屋内消火栓は消火器よりも操作が複雑で、放水時には水圧もかかります。
消防訓練などで、あらかじめ使用方法を確認しておくことが重要です。
なお、屋内消火栓設備は消防隊が使用するのではなく、建物関係者が使用する設備です。
Q2. 1号消火栓は1人では使えない?
1号消火栓は原則として2人以上で操作します。
一人がノズルを持ってホースを延長し、もう一人が消火栓箱側で開閉弁の操作やホースの補助を行います。
これに対して、易操作性1号消火栓、2号消火栓及び広範囲型2号消火栓は1人でも操作できるようになっています。
Q3. 1号消火栓と易操作性1号消火栓の違いは?
操作性が違い、通常の1号消火栓は原則として2人以上で操作しますが、易操作性1号消火栓は保形ホースや手元で操作できるノズルなどを使用することで、1人でも操作できるようになっています。
Q4. 「一人で操作できる消火栓」はどうやって見分ける?
一人で操作できる屋内消火栓には、その旨を示す表示が付いている場合があります。
ただし、表示のない設備もあるため、消火栓箱に記載されている操作方法を確認してください。
Q5. 消火器と屋内消火栓はどちらを使えばいい?
小規模な初期火災では消火器が扱いやすい一方、屋内消火栓設備は継続して水を放水できるため、消火器だけでは消火が難しい場合にも有効です。
屋内消火栓設備は消火器よりも継続して大量の水を放水できるため、高い消火能力があります。
ただし、自分の安全と避難経路を確保することが最優先です。
Q6. 屋内消火栓は実際に水を出して訓練できる?
設備の状況や建物の管理方法によります。
実際に放水する訓練を行う場合は、消防用設備の管理者や消防設備業者などと調整して行うことが望ましいです。
操作方法だけを確認する訓練でも、
「ホースの重さは?」
「水圧や水量はどのくらい?」
「どこまでホースを伸ばせるのか?」
「使った後のポンプの停止の仕方は?」
を実際に確認しておくと、火災時の対応につながります。
実放水訓練を行う場合は、ポンプの起動や警報の作動、訓練後の復旧方法などを事前に確認してから実施しましょう。
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