屋外消火栓設備の使い方は?|消防法令の定義を解説

屋外消火栓設備の使い方は、ホース格納箱からホースやノズルを取り出し、火元までホースを延長した後、ポンプを起動して消火栓の開閉弁を開き、火元に向かって放水します。

屋外消火栓設備は放水量が多く、放水時の反動も大きいため、複数人で協力して操作することが重要です。

また、設備によって消火栓、ホース格納箱、ポンプ起動ボタンなどの位置が異なるため、平常時から設置場所と操作方法を確認しておきましょう。

1.【条文】

消防法施行令第19条

消防法施行規則第22条

 

←屋外消火栓設備とは?

 

消防法施行令第19条では、屋外消火栓設備を設置する防火対象物や、水源、放水性能などの基準が定められています。

屋外消火栓設備は、屋外消火栓を使用したとき、ノズルの先端において所定の放水圧力及び放水量を確保できる構造とされています。

また、消防法施行規則第22条では、屋外消火栓の開閉弁、ホース格納箱、ポンプの起動装置、表示などについて定められています。

2.【使用方法解説】

屋外消火栓設備は、設備によって形状や操作方法が異なります。

ここでは、一般的な屋外消火栓設備を例に説明します。

①ホースとノズルを取り出す

ホースとノズルを取り出す

ホース格納箱を開け、ホースとノズルを取り出します。

屋外消火栓とホース格納箱が別々に設置されている場合は、屋外消火栓の位置も確認します。

ホースが屋外消火栓に接続されていない場合は、ホースを消火栓のホース接続口に確実に接続します。

②ホースを伸ばして火元へ向かう

ホースを伸ばして火元へ向かう

ノズルを持った人が火元へ向かい、ホースを延長します。

ホースが折れたり、ねじれたりしていると十分に放水できない場合があるため、ホースの状態を確認しながら延長します。

ほかの人は、ホース格納箱や消火栓付近でホースの延長を補助します。

③ポンプの起動ボタンを押す

ポンプの起動ボタンを押す

屋外消火栓設備の起動ボタンを押し、消火栓ポンプを起動します。

ポンプが起動すると、起動を示す表示灯が点灯します。

起動ボタンは、屋外消火栓箱の内部や、その直近などに設けられています。

設備によって起動方法が異なる場合があるため、実際に設置されている設備の操作表示を確認してください。

④「放水はじめ」と合図する

「放水はじめ」と合図する

ノズルを持った人は、安全な位置で放水できる準備ができたら、消火栓側の人に

「放水はじめ」

と合図します。

放水する人の準備ができていることを確認してから、開閉弁を操作します。

⑤開閉弁を開けて放水する

開閉弁を開けて放水する

合図を確認した人が、屋外消火栓の開閉弁をゆっくり開きます。

ホースに水が送られたら、ノズルを持った人が火元に向けて放水します。

放水中は強い水圧がかかるため、ノズルをしっかり保持し、安全な場所から放水します。

ほかの人はホースの折れやねじれを確認しながら、放水している人を補助します。

・屋外消火栓設備は、建物の外部から放水して初期消火を行うための消防用設備等です。

・一般的には、屋外消火栓、ホース格納箱、ホース、ノズル、配管、ポンプ、水源などで構成されています。

・消防法施行令では、屋外消火栓を使用した場合、ノズルの先端において0.25MPa以上の放水圧力と、毎分350リットル以上の放水量を確保することが定められています。

・屋内消火栓設備よりも放水量が多いため、放水時には大きな反動があります。できるだけ複数人で協力して操作してください。

・ホースを十分に延長する前に開閉弁を開くと、ホースに水が入り重くなり、ホースを延長しにくくなります。原則としてホースを延長し、放水準備ができてから開閉弁を開きます。

・ポンプが起動していない状態では、十分な放水量や放水圧力が得られない場合があります。屋外消火栓を使用するときは、ポンプが起動していることを確認することが重要です。

・火勢が強くなった場合や、煙や熱によって危険が生じた場合は、初期消火に固執せず安全な場所へ避難してください。

・屋外消火栓設備は機種や設置方法によって操作方法が異なる場合があります。平常時に、屋外消火栓やホース格納箱に表示されている操作方法を確認しておくことが重要です。

4.【FAQ】

Q1. 屋外消火栓設備は誰が使う設備?

屋外消火栓設備は、火災が発生した場合に建物の関係者などが初期消火に使用することができる消防用設備等です。

消防隊だけが使用するための設備ではありません。

ただし、放水量が多く操作にも注意が必要なため、消防訓練などで事前に操作方法を確認しておくことが重要です。

 

Q2. 屋外消火栓は1人でも使用できる?

屋外消火栓設備は放水量が多く、ホースの延長、ポンプの起動、開閉弁の操作、ノズルの保持など複数の操作が必要です。

そのため、安全に使用するためにも、できるだけ複数人で協力して操作します。

一人がノズルを担当し、もう一人が消火栓の開閉弁やホースの補助を行う方法が基本となります。

 

Q3. ポンプの起動ボタンを押さないとどうなる?

ポンプが起動しなければ、屋外消火栓設備本来の放水圧力や放水量が得られない場合があります。

屋外消火栓を使用するときは、

ホースを延長する

ポンプを起動する

開閉弁を開く

という操作を確実に行うことが重要です。

消防庁の火災事例でも、ポンプの起動操作が行われなかったことにより、十分な放水量が得られなかったと考えられる事例が報告されています。

 

Q4. 屋外消火栓と道路にある消火栓は同じもの?

同じ「消火栓」という名称でも、目的や設備は異なります。

消防法令上の屋外消火栓設備は、防火対象物に設置される消防用設備等の一つで、水源、ポンプ、配管、屋外消火栓、ホースなどによって構成されています。

一方、道路などに設置されている消火栓は、消防隊が消防活動に使用するための消防水利として設けられているものがあります。

 

Q5. ホースを伸ばす前に開閉弁を開いてもいい?

先にホースを延長してから開閉弁を開くのが基本です。

ホースを延長する前に開閉弁を開くと、ホースの内部に水が入り、非常に重くなります。

ホースを火元まで延長し、ノズルを持った人が放水できる準備を整えてから、「放水はじめ」の合図によって開閉弁を開きます。

 

Q6. 屋外消火栓から水が出ない場合は?

まず、ポンプが起動しているか確認します。

また、

開閉弁が開いているか

ホースが正しく接続されているか

ホースが折れたりねじれたりしていないか

なども確認します。

ただし、火災時に設備の故障などによって放水できない場合は、設備の復旧に時間をかけず、119番通報や避難など安全確保を優先してください。

 

Q7. 屋外消火栓を使った消防訓練はできる?

設備の管理状況などによりますが、実際の設備を使用した放水訓練を行うこともできます。

実放水訓練を行う場合は、ポンプの起動方法、開閉弁の操作方法、放水場所、排水方法、訓練終了後のポンプ停止や設備の復旧方法などを事前に確認しておく必要があります。

消防設備業者や建物の設備管理者などと調整して実施すると安全です。

実際に放水しない訓練でも、

屋外消火栓はどこにあるか

ホース格納箱はどこにあるか

起動ボタンはどこにあるか

ホースをどのように延長するか

誰がノズルを担当するか

誰が開閉弁を操作するか

などを確認しておくだけでも、火災時の対応につながります。

 

それゆけ!ほむらくん!の実践防火講座でも紹介しています。

第2回 消防訓練(初期消火)

 

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