放水停止の方法とは、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、泡消火設備などが作動した後、火災ではないこと、または火災が鎮火したことを確認したうえで、設備への水や泡水溶液の供給を止め、放水・放射を停止します。
消火設備は、火災時に確実に作動させることが最も重要です。
一方、火災が鎮火した後や設備の破損などによる不時放水の場合、そのまま放水を続けると、建物、電気設備、商品などへの水損被害が拡大するおそれがあります。
そのため、設備の構造や作動区域を確認し、適切に放水・放射を停止することが重要です。
1.【放水停止の対象となる主な設備】
放水停止が必要となる代表的な設備には、次のようなものがあります。
【スプリンクラー設備】
火災の熱などによってスプリンクラーヘッドが作動し、自動的に放水する設備です。
消防法施行規則第14条では、閉鎖型スプリンクラーヘッドを用いる設備について、原則として階ごとなどに制御弁を設けることが定められています。また、制御弁にはみだりに閉止できない措置を講じることも定められています。
【水噴霧消火設備】
噴霧ヘッドから水を霧状に放射して消火する設備です。
消防法施行規則第16条では、一つの一斉開放弁によって同時に放射する区域を「放射区域」として規定しています。
【泡消火設備】
泡消火薬剤と水から泡を生成し、主として油火災などを消火する設備です。
固定式の泡消火設備では、放射区域、配管、一斉開放弁、加圧送水装置などによって構成されるものがあります。
2.【放水停止の基本】
①火災が鎮火したことなどを確認する
最初に重要なのは、放水・放射を止めてもよい状態か確認することです。
実際の火災が継続している状態で設備を停止すると、再び火災が拡大するおそれがあります。
火災時は、原則として消防隊等の指示に従います。
②作動している区域を確認する
どの設備が、どの区域で作動しているのかを確認します。
スプリンクラー設備では階や系統、水噴霧消火設備や泡消火設備では放射区域など、設備ごとに区分されています。
③対応する弁等を閉止する
作動区域に対応する弁等を操作し、水や泡水溶液の供給を停止します。
スプリンクラー設備では、作動区域に対応する制御弁を閉止することが基本となります。
水噴霧消火設備や泡消火設備については、設備方式や配管構成が異なるため、設備ごとに定められた停止操作を行います。
3.【各設備の止め方】
①スプリンクラー設備の場合
閉鎖型スプリンクラー設備では、火災などによってヘッドが開放すると、配管から継続して水が供給されます。
火災が鎮火したことなどを確認した後、作動した階や区域に対応する制御弁を閉止して給水を止めます。
制御弁を閉めた後も、配管内には水が残っています。必要に応じて排水弁を開け、配管内に残っている水を排水します。
消防法施行規則第14条では、閉鎖型スプリンクラーヘッドを用いる設備について、原則として階ごと等に制御弁を設けることが定められています。
②水噴霧消火設備の場合
水噴霧消火設備は、一斉開放弁によって一定の放射区域へ水を供給する方式があります。
消防法施行規則第16条でも、「一の一斉開放弁により同時に放射する区域」を放射区域として規定しています。
放射停止については、設備の方式や弁の構成を確認し、対象となる区域への給水を停止します。
③泡消火設備の場合
泡消火設備の場合は、水だけではなく、泡消火薬剤を混合した泡水溶液などを放射します。
そのため、厳密には「放水停止」というより「放射停止」となります。
固定式の泡消火設備についても、一斉開放弁や配管、加圧送水装置などから構成されるものがあります。
停止方法は設備方式によって異なるため、設備ごとの操作方法に従います。
4.【FAQ】
Q1. スプリンクラーの水はどこで止める?
一般的な閉鎖型スプリンクラー設備では、火災が鎮火したことなどを確認した後、作動した区域に対応する制御弁を閉めて給水を止めます。
Q2. 水噴霧消火設備も同じ方法で止める?
基本的には対象区域への給水を停止しますが、水噴霧消火設備では一斉開放弁を使用する方式などがあり、スプリンクラー設備とは構造が異なります。
設備ごとの停止方法を確認してください。
Q3. 泡消火設備も放水停止が必要?
固定式泡消火設備が作動した場合も、鎮火後などには放射を停止する必要があります。
ただし、泡消火設備では水だけでなく泡水溶液等を使用するため、設備方式に応じた停止操作が必要です。
Q4. 火災中に止めてもいい?
火災が継続している状態で消火設備を停止してはいけません。
設備の停止によって消火能力を失い、火災が拡大するおそれがあります。火災時は消防隊等の指示に従います。
Q5. なぜ制御弁の場所を事前に確認する必要がある?
不時放水などが発生した際、制御弁等を探している間にも水損被害が広がる可能性があります。
そのため、どの弁がどの区域に対応しているのかをあらかじめ確認し、消防訓練などの機会に実際の位置も確認しておくことが重要です。
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