特別避難階段とは、建築基準法令で定められた、火災時に安全に避難するための階段です。
一定規模以上の建築物では、煙や炎の影響を受けにくい構造の階段を設けることが義務付けられています。
特別避難階段は、通常の避難階段よりも高い安全性を備えた避難専用階段です。
1.【建築基準法令上の定義】
1 建築物の5階以上の階(主要構造部が準耐火構造である建築物又は主要構造部が不燃材料で造られている建築物で5階以上の階の床面積の合計が100㎡以下である場合を除く。)又は地下2階以下の階(主要構造部が準耐火構造である建築物又は主要構造部が不燃材料で造られている建築物で地下2階以下の階の床面積の合計が100㎡以下である場合を除く。)に通ずる直通階段は次条の規定による避難階段又は特別避難階段とし、建築物の15階以上の階又は地下3階以下の階に通ずる直通階段は同条第3項の規定による特別避難階段としなければならない。ただし、特定主要構造部が耐火構造である建築物(階段室の部分、昇降機の昇降路の部分(当該昇降機の乗降のための乗降ロビーの部分を含む。)及び廊下その他の避難の用に供する部分で耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備で区画されたものを除く。)で床面積の合計100㎡(共同住宅の住戸にあつては、200㎡)以内ごとに耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備(直接外気に開放されている階段室に面する換気のための窓で開口面積が0.2㎡以下のものに設けられる法第二条第九号の二ロに規定する防火設備を含む。)で区画されている場合においては、この限りでない。
2 3階以上の階を物品販売業を営む店舗の用途に供する建築物にあつては、各階の売場及び屋上広場に通ずる二以上の直通階段を設け、これを次条の規定による避難階段又は特別避難階段としなければならない。
3 前項の直通階段で、5階以上の売場に通ずるものはその一以上を、15階以上の売場に通ずるものはその全てを次条第三項の規定による特別避難階段としなければならない。
2.【条文】
建築基準法施行令第122条、第123条
消防法施行規則第4条の2の3
3.【解説】
・特別避難階段は、次に定める構造としなければならないとされています。
| 1 | 屋内と階段室とは、バルコニー又は付室を通じて連絡すること。 |
| 2 | 屋内と階段室とが付室を通じて連絡する場合においては、階段室又は付室の構造が、通常の火災時に生ずる煙が付室を通じて階段室に流入することを有効に防止できるものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものであること。 |
| 3 | 階段室、バルコニー及び付室は、第6号の開口部、第8号の窓又は第10号の出入口の部分(第129条の13の3第3項に規定する非常用エレベーターの乗降ロビーの用に供するバルコニー又は付室にあっては、当該エレベーターの昇降路の出入口の部分を含む。)を除き、耐火構造の壁で囲むこと。 |
| 4 | 階段室及び付室の天井及び壁の室内に面する部分は、仕上げを不燃材料でし、かつ、その下地を不燃材料で造ること。 |
| 5 | 階段室には、付室に面する窓その他の採光上有効な開口部又は予備電源を有する照明設備を設けること。 |
| 6 | 階段室、バルコニー又は付室の屋外に面する壁に設ける開口部(開口面積が各々1㎡以内で、法第2条第9号の2ロに規定する防火設備ではめごろし戸であるものが設けられたものを除く。)は、階段室、バルコニー又は付室以外の当該建築物の部分に設けた開口部並びに階段室、バルコニー又は付室以外の当該建築物の部分の壁及び屋根(耐火構造の壁及び屋根を除く。)から90㎝以上の距離にある部分で、延焼のおそれのある部分以外の部分に設けること。 ただし、第112条第15項ただし書に規定する場合は、この限りでない。 |
| 7 | 階段室には、バルコニー及び付室に面する部分以外に屋内に面して開口部を設けないこと。 |
| 8 | 階段室のバルコニー又は付室に面する部分に窓を設ける場合においては、はめごろし戸を設けること。 |
| 9 | バルコニー及び付室には、階段室以外の屋内に面する壁に出入口以外の開口部を設けないこと。 |
| 10 | 屋内からバルコニー又は付室に通ずる出入口には第1項第6号の特定防火設備を、バルコニー又は付室から階段室に通ずる出入口には同号の防火設備を設けること。 |
| 11 | 階段は、耐火構造とし、避難階まで直通すること。 |
| 12 | 建築物の15階以上の階又は地下3階以下の階に通ずる特別避難階段の15階以上の各階又は地下3階以下の各階における階段室及びこれと屋内とを連絡するバルコニー又は付室の床面積(バルコニーで床面積がないものにあっては、床部分の面積)の合計は、当該階に設ける各居室の床面積に、法別表第1(い)欄(一)項又は(四)項に掲げる用途に供する居室にあっては100分の8、その他の居室にあっては100分の3を乗じたものの合計以上とすること。 |
4.【FAQ】
Q1. 特別避難階段とは何ですか?
火災時に煙が侵入しないように防火区画された、最も安全性の高い避難専用階段です。
通常の避難階段より厳しい構造基準があり、煙の侵入を防ぐための前室(付室)や防火設備が必須です。
Q2. 特別避難階段が設けられていた場合の消防法令に関する事項は?
消防法令では、避難階段が設置されている場合、以下のような事項に関係します。
①避難上有効な構造を有する場合(火災の予防上必要な事項等について点検を要する防火対象物)【消防法施行規則第4条の2の3】
②避難器具の設置個数の減免【消防法施行規則第26条】
③排煙設備に関する基準の細目【消防法施行規則第30条】
Q3. 特別避難階段と通常の避難階段の違いは何ですか?
特別避難階段は防火区画・付室・防煙設備など、より高度な安全構造が求められます。
通常の避難階段は屋外型であれば煙が滞留しにくいですが、特別避難階段は屋内型でも煙侵入を防ぐ構造が必須です。
5.【特別避難階段の例】
・付室を設ける場合の例

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元消防士・全類取得消防設備士・行政書士の行政書士法人吉村防災システムが回答いたします。