耐火構造の壁等とは?|消防法令の定義を解説

耐火構造の壁等とは、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造その他これらに類する堅ろうで、かつ、容易に変更できない構造で通常の火災による火熱が二時間加えられた場合に、構造耐力上支障のある変形、溶融、破壊その他の損傷を生じない、開口部のない耐火構造床又は壁をいいます。

消防法施行令第8条の区画(令八区画)の区画の構造に関係します。

1.【条文】

消防法施行規則第5条の2

防火上有効な措置が講じられた壁等の基準

 

建築基準法第2条第7号

耐火構造の構造方法を定める件(建築基準法)

2.【解説・その他】

・建築基準法での耐火構造【壁、柱、床その他の建築物の部分の構造のうち、耐火性能(通常の火災が終了するまでの間当該火災による建築物の倒壊及び延焼を防止するために当該建築物の部分に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合する鉄筋コンクリート造、れんが造その他の構造で、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。】

・令八区画に関係のない耐火構造の壁等は建築基準法令の基準ですが、建築基準法令の基準に適合していても、令八区画として扱うためには開口部等の追加制限が必要となります。

・開口部のない耐火構造の壁等の基準は次のとおりです。

1耐火構造の壁等は、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造その他これらに類する堅ろうで、かつ、容易に変更できない構造であること。
2耐火構造の壁等は、建築基準法施行令第107条第1号の表の規定にかかわらず、同号に規定する通常の火災による火熱が2時間加えられた場合に、構造耐力上支障のある変形、溶融、破壊その他の損傷を生じないものであること。
3耐火構造の壁等の両端又は上端は、防火対象物の外壁又は屋根から50㎝以上突き出していること。 ただし、耐火構造の壁等及びこれに接する外壁又は屋根の幅3.6m以上の部分を耐火構造とし、かつ、当該耐火構造の部分が次に掲げるいずれかの要件を満たすものである場合は、この限りでない。
・開口部が設けられていないこと。
・開口部に防火戸が設けられており、かつ、耐火構造の壁等を隔てた開口部相互間の距離が90㎝以上離れていること。
4耐火構造の壁等は、配管を貫通させないこと。 ただし、配管及び当該配管が貫通する部分(貫通部)が次に掲げる基準に適合する場合は、この限りでない。
・配管の用途は、原則として給排水管であること。
・配管の呼び径は、200㎜以下であること。
・貫通部の内部の断面積が、直径300㎜の円の面積以下であること。
・貫通部を二以上設ける場合にあっては、当該貫通部相互間の距離は、当該貫通部のうち直径が大きい貫通部の直径の長さ(当該直径が200㎜以下の場合にあっては、200㎜)以上とすること。
・配管と貫通部の隙間を建築基準法第2条第9号に規定する不燃材料により埋める方法その他これに類する方法により、火災時に生ずる煙を有効に遮ること。
・配管及び貫通部は、耐火構造の壁等と一体として2に規定する性能を有すること。
・配管には、その表面に可燃物が接触しないような措置を講じること。 ただし、当該配管に可燃物が接触しても発火するおそれがないと認められる場合は、この限りでない。

3.【FAQ】

Q1. 令八区画の耐火構造の壁等の基準はなぜ厳しい?
火災時に“最後まで壊れてはいけない”区画であり、隣の部屋・建物への延焼を防ぐ必要があります。そのため、構造耐力・遮炎・遮熱の3性能を同時に満たす必要があり、技術的要求が高くなります。

耐火構造の壁等は、火災時に避難時間を確保し、延焼を防ぐ“最後の防御ライン”であるため、基準が厳格に設定されています。

 

Q2. 基準を満たさない場合はどうなる?

隣接する防火対象物は一体の防火対象物とみなされ、面積で必要となる消防用設備等が変更する可能性があります。

例)2,100㎡以上で屋内消火栓設備の設置義務 等

 

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