差動式分布型感知器とは、周囲の温度の上昇率が一定の率以上になったときに火災信号を発信するもので、広範囲の熱効果の累積により作動するものをいいます。
自動火災報知設備の構成部品である感知器の一種です。
1.【条文】
消防法施行令第21条
消防法施行規則第23条~第24条の2
火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令
感知器とは、火災により生ずる熱、火災により生ずる燃焼生成物(以下「煙」という。)又は火災により生ずる炎を利用して自動的に火災の発生を感知し、火災信号又は火災情報信号を受信機若しくは中継器又は消火設備等に発信するものをいう。
2.【解説・その他】
・差動式分布型感知器には、空気管式・熱電対式・熱半導体式があります。多くは空気管式が採用されています。
・差動式分布型感知器で空気管式のもの又はこれに類するものは、次によることとされています。
| リーク抵抗及び接点水高を容易に試験することができること。 |
| 空気管の漏れ及びつまりを容易に試験することができ、かつ、試験後試験装置を定位置に復する操作を忘れないための措置を講ずること。 |
| 空気管は、一本(継ぎ目のないものをいう。)の長さが20m以上で、内径及び肉厚が均一であり、その機能に有害な影響を及ぼすおそれのある傷、割れ、ねじれ、腐食等を生じないこと。 |
| 空気管の肉厚は、0.3mm以上であること。 |
| 空気管の外径は、1.94mm以上であること。 |
・差動式分布型感知器で熱電対式のもの及び熱半導体式のものは、次によることされています。
| 検出部の作動電圧を容易に試験することができること。 |
| 熱電対部の断線の有無及び導体抵抗を容易に試験することができ、かつ、試験後試験装置を定位置に復する操作を忘れないための措置を講ずること。 |
・差動式分布型感知器の取り付け面は4m未満、4m以上8m未満、8m以上15m未満に設置することができます。
・感知器(検出部に限る。)は5°以上傾斜させないように設けることとされています。
・感知器は、取付け面の下方0.3m以内の位置に設けることとされています。
・差動式分布型感知器は、次に定めるところによることとされています。
【空気管式】
・感知器の露出部分は、感知区域ごとに20m以上とすること。
・感知器は、感知区域の取付け面の各辺から1.5m以内の位置に設け、かつ、相対する感知器の相互間隔が、特定主要構造部を耐火構造とした防火対象物又はその部分にあっては9m以下、その他の構造の防火対象物又はその部分にあっては6m以下となるように設けること。ただし、感知区域の規模又は形状により有効に火災の発生を感知することができるときは、この限りでない。
・一の検出部に接続する空気管の長さは、100m以下とすること。
【熱電対式】
・感知器は、感知区域ごとに、その床面積が、72㎡(特定主要構造部を耐火構造とした防火対象物にあっては、88㎡)以下の場合にあっては4個以上、72㎡(特定主要構造部を耐火構造とした防火対象物にあっては、88㎡)を超える場合にあっては4個に18㎡(特定主要構造部を耐火構造とした防火対象物にあっては、22㎡)までを増すごとに1個を加えた個数以上の熱電対部を火災を有効に感知するように設けること。
・一の検出部に接続する熱電対部の数は、20以下とすること。
【熱半導体式】
・感知器は、感知区域ごとに、その床面積が、感知器の種別及び取付け面の高さに応じて次の表で定める床面積の二倍の床面積以下の場合にあっては2個(取付け面の高さが8m未満で、当該表で定める床面積以下の場合にあっては、1個)以上、当該表で定める床面積の二倍の床面積を超える場合にあっては2個に当該表で定める床面積までを増すごとに1個を加えた個数以上の感熱部を火災を有効に感知するように設けること。
| 取付け面の高さ | 構造 | 一種 | 二種 |
|---|---|---|---|
| 8m未満 | 特定主要構造部を耐火構造とした防火対象物又はその部分 | 65㎡ | 36㎡ |
| 8m未満 | その他の構造の防火対象物又はその部分 | 40㎡ | 23㎡ |
| 8m以上15m未満 | 特定主要構造部を耐火構造とした防火対象物又はその部分 | 50㎡ | |
| 8m以上15m未満 | その他の構造の防火対象物又はその部分 | 30㎡ |
・一の検出器に接続する感熱部の数は、2以上15以下とすること。
3.【その他の用語】
| 警戒区域 | 火災の発生した区域を他の区域と区別して識別することができる最小単位の区域をいう。 |
| 感知区域 | 壁又は取付面から0.4m(差動式分布型感知器又は煙感知器を設ける場合は、0.6m)以上突き出したはり等によって区画された部分をいう。 |
| 蓄積付加装置 | 受信機が検出した火災信号を蓄積することにより非火災報の防止を図ることができる機能を受信機に付加する装置をいう。 |
| 移報用装置 | 自動火災報知設備の火災信号を他の防災機器に移報するための装置をいう。 |
4.【FAQ】
Q1. 差動式分布型感知器の特徴は?
・室内(感知区域)の急激な温度上昇を感知することで信号を送ります。
・寒い冬などで、室内を急に温めた時に誤作動する場合もあります。
・広範囲に設置することができ、天井面に直接感知器が見えにくいため、体育館のような大空間や、文化財に多く設置されています。
Q2. 差動式分布型感知器はどんなものを設置してもいいのか?
自動火災報知設備の受信機、発信機、中継器、感知器は検定制度で合格したものでなければ設置できません。
Q3. 感知器の工事や整備をするのに資格は必要か?
感知器の工事・整備・点検を行うためには消防設備士甲種4類の資格が必要です。
整備・点検を行うためには消防設備士乙種4類の資格が必要です。
点検を行うためには第二種消防設備点検資格者の資格が必要です。
Q4. 感知器の新設、増設、移設、取替えを行う際、必要な届出はあるか?
感知器を設置する場合、「着工届」を工事する10日前までに届出する必要があります。
設置後4日以内に「設置届」を届出する必要があります。
※感知器の増設、移設、取替えを行う際、数が少ない場合は軽微な工事として着工届を省略できる場合もありますので必要に応じて管轄する消防署へ確認してください。
Q5. 感知器を使う設備は何があるか?
自動火災報知設備、特定小規模施設用自動火災報知設備、共同住宅用自動火災報知設備、住戸用自動火災報知設備、複合型居住施設用自動火災報知設備以外に、スプリンクラー設備、不活性ガス消火設備などの自動消火を行うための感知用、防火設備を閉鎖させるための感知用でも使用されます。
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