緩降機とは、火災などの緊急時に、建物の窓やバルコニーから地上へ安全に避難するための避難器具で、建物の上階から地上へ“ゆっくり安全に降下”するための設備のことです。
1.【条文】
消防法施行令第25条
消防法施行規則第26条、第27条
緩降機の構造・材質・強度・設置条件などは、この告示で詳細に規定されている。
2.【解説・その他】
・緩降機には固定式と可搬式の2種類がある。
| 固定式 | 常時取付け具に固定されてしようするもの |
| 可搬式 | 使用時に取付け具を取り付けて使用するもの |
・緩降機には調速器、着用具、ロープ、ベルト、緊結金具等の基準が定められている。
・緩降機は、降下の際、ロープが防火対象物と接触して損傷しないように設けること。
・緩降機のロープの長さは、取付位置から地盤面その他の降着面までの長さとすること。
・壁の部分に設ける取付部の開口部の下端は、床から1.2m以下とすること。
・床からの高さが0.5m以上の場合は、有効に避難できるように固定又は半固定のステップ等を設けること。
・緩降機をつり下げるフックの取付位置は、床面から1.5m以上1.8m以下の高さとすること。
・緩降機の取付け具は、次のとおり設置する必要があります。
| 取付け具は、防火対象物の柱、床、はりその他構造上堅固な部分又は堅固に補強された部分に緩降機を容易に取り付けることができるように設けること。 |
| 取付け具は、ボルト締め、溶接その他の方法で堅固に取り付けること。 |
| 取付け具に用いる材料は、日本産業規格G3101若しくはG3444に適合するもの又はこれらと同等以上の強度及び耐久性を有するものであり、かつ、耐食性を有しない材質のものにあつては、耐食加工を施したものであること。 |
3.【その他避難器具に関する用語】
| 取付部 | 避難器具を取り付ける部分をいう。 |
| 取付部の開口部の大きさ | 避難器具を取り付けた状態での取付部の開口部の有効寸法をいう。ただし、救助袋にあっては、取付部の開口部の有効寸法をいう。 |
| 操作面積 | 避難器具を使用できる状態にするための操作に必要な当該避難器具の取付部付近の床等の面積をいう。 |
| 降下空間 | 避難器具を使用できる状態にした場合に、当該避難器具の設置階から地盤面その他の降着面(以下「降着面等」という。)までの当該避難器具の周囲に保有しなければならない避難上必要な空間をいう。 |
| 避難空地 | 避難器具の降着面等付近に必要な避難上の空地をいう。 |
| 避難通路 | 避難空地から避難上安全な広場、道路等に通ずる避難上有効な通路をいう。 |
| 取付け具 | 避難器具を固定部に取り付けるための器具をいう。 |
| 避難器具用ハッチ | 金属製避難はしご、救助袋等の避難器具を常時使用できる状態で格納することのできるハッチ式の取付け具をいう。 |
| 避難器具専用室 | 避難はしご又は避難用タラップを地階に設置する場合の専用の室をいう。 |
| 固定部 | 防火対象物の柱、床、はりその他構造上堅固な部分又は堅固に補強された部分をいう。 |
4.【FAQ】
Q1.緩降機は着工届を提出する必要があるか?
緩降機は、消防設備士による着工届が必要です。
ただし、任意で設置する場合は不要です。
Q2. 緩降機は一動作式の避難器具として扱えるか?
緩降機のアームを折りたたんで室内に入れておく等、常時、容易かつ確実に使用できる状態の一動作前の状態で設置した場合は認められます。
Q3. 固定式の緩降機を可搬式として使用できるか?
固定式として国家検定を受けた緩降機を可搬式として使用することはできません。
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元消防士・全類取得消防設備士・行政書士の行政書士法人吉村防災システムが回答いたします。