防油堤とは?|消防法令の定義を解説

防油堤とは、屋外貯蔵タンクから液体の危険物が漏えいした場合に、危険物が周囲へ流出することを防止するために設ける堤です。

屋外タンク貯蔵所では、タンクから大量の危険物が流出すると、火災の拡大や周辺施設への被害につながるおそれがあります。そのため、一定の屋外貯蔵タンクの周囲には、危険物を一定範囲内にとどめるための防油堤を設けます。

1.【条文】

消防法

危険物の規制に関する政令第11条第1項第15号

危険物の規制に関する規則第22条

防油堤の構造等に関する運用基準について

 

液体の危険物の屋外貯蔵タンクの周囲には、総務省令で定めるところにより、危険物が漏れた場合にその流出を防止するための総務省令で定める防油堤を設けること。

 

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2.【解説・その他】

・防油堤(引火点を有する液体の危険物以外の液体の危険物の屋外貯蔵タンクの周囲に設けるものを除く。)の基準は、次のとおりとされています。

一の屋外貯蔵タンクの周囲に設ける防油堤の容量(告示で定めるところにより算定した容量をいう。以下同じ。)は、当該タンクの容量の110%以上とし、二以上の屋外貯蔵タンクの周囲に設ける防油堤の容量は、当該タンクのうち、その容量が最大であるタンクの容量の110%以上とすること。
防油堤の高さは、0.5m以上であること。
防油堤内の面積は、80,000㎡以下であること。
防油堤内に設置する屋外貯蔵タンクの数は、10(防油堤内に設置するすべての屋外貯蔵タンクの容量が200キロリットル以下で、かつ、当該屋外貯蔵タンクにおいて貯蔵し、又は取り扱う危険物の引火点が70℃以上200℃未満である場合には20)以下であること。ただし、引火点が200℃以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱う屋外貯蔵タンクにあってはこの限りでない。
防油堤内に設置する屋外貯蔵タンクのすべてについて、その容量がいずれも200キロリットル以下である場合は、前号の規定にかかわらず、消防活動に支障がないと認められる道路又は空地に面していれば足りるものであること。
防油堤は、周囲が構内道路に接するように設けなければならないこと。
防油堤は、鉄筋コンクリート又は土で造り、かつ、その中に収納された危険物が当該防油堤の外に流出しない構造であること。
容量が10,000キロリットル以上の屋外貯蔵タンクの周囲に設ける防油堤には、次に掲げるところにより、当該タンクごとに仕切堤を設けること。
イ 仕切堤の高さは、0.3m(防油堤内に設置される屋外貯蔵タンクの容量の合計が、200,000キロリットルを超える防油堤内に設けるものにあっては、1m)以上であり、かつ、防油堤の高さから0.2mを減じた高さ以下であること。
ロ 仕切堤は、土で造ること。
防油堤内には、当該防油堤内に設置する屋外貯蔵タンクのための配管(当該屋外貯蔵タンクの消火設備のための配管を含む。)以外の配管を設けないこと。
防油堤又は仕切堤(以下「防油堤等」という。)には、当該防油堤等を貫通して配管を設けないこと。ただし、防油堤等に損傷を与えないよう必要な措置を講じた場合は、この限りでない。
防油堤には、その内部の滞水を外部に排水するための水抜口を設けるとともに、これを開閉する弁等を防油堤の外部に設けること。
容量が1,000キロリットル以上の屋外貯蔵タンクにあっては、前号の弁等には、弁等の開閉状況を容易に確認できる装置を設けること。
容量が10,000キロリットル以上の屋外貯蔵タンクの周囲に設ける防油堤内には、流出した危険物を容易に確認できる箇所に流出した危険物を自動的に検知し、必要な措置を講ずることができる場所にその事態を直ちに警報することができる装置を設けること。
高さが1mを超える防油堤等には、おおむね30mごとに堤内に出入りするための階段を設置し、又は土砂の盛上げ等を行うこと。

 

・防油堤内に設置する屋外貯蔵タンクは、次の表の上欄に掲げる屋外貯蔵タンクの容量に応じ同表の下欄に掲げる路面幅員を有する構内道路(屋外タンク貯蔵所の存する敷地内の道路をいう。以下同じ。)に直接面するように設けることとされています。 ただし、引火点が200℃以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱う屋外貯蔵タンクにあってはこの限りでありません。

屋外貯蔵タンクの容量構内道路の路面幅員
引火点が70℃未満の危険物を貯蔵し、又は取り扱う屋外貯蔵タンク引火点が70℃以上200℃未満の危険物を貯蔵し、又は取り扱う屋外貯蔵タンク
5,000キロリットル以下6m以上6m以上
5,000キロリットルを超え10,000キロリットル以下8m以上
10,000キロリットルを超え50,000キロリットル以下12m以上6m以上
50,000キロリットルを超える16m以上

 

・防油堤は、次の表の上欄に掲げる屋外貯蔵タンクの直径に応じ、当該タンクの側板から同表下欄に掲げる距離を保つこととされています。ただし、引火点が200℃以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱う屋外貯蔵タンクにあってはこの限りではありません。

屋外貯蔵タンクの直径距離
15m未満タンクの高さの1/3以上の距離
15m以上タンクの高さの1/2以上の距離

3.【FAQ】

Q1. 防油堤は何のために設置するのですか?

屋外貯蔵タンクから液体の危険物が漏えいした場合に、その危険物が周囲へ流出することを防止するために設置します。

 

Q2. 防油堤の高さに決まりはありますか?

あります。危険物の規制に関する規則により、防油堤の高さは原則として0.5メートル以上とされています。

 

Q3. 防油堤の中に複数のタンクを設置できますか?

一定の基準を満たせば複数のタンクを設置できます。ただし、防油堤内のタンク数、容量、配置、仕切堤などについて基準があるため、個別に確認する必要があります。

 

Q4. 防油堤にたまった雨水は排水できますか?

排水設備を設けることができます。ただし、危険物が漏えいした場合に防油堤外へ流出しないよう、排水設備についても適切な構造と管理が必要です。

 

4.【イメージ図】

防油堤

 

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