非常用の照明装置とは、建築基準法で定められた避難施設等の一つで、火災等により停電等が発生した場合、一定時間自動で点灯して、安全に避難させるための設備です。
非常照明、非常用照明等と言われています。
1.【条文】
建築基準法第7条の6
建築基準法施行令第126条の4、第126条の5
消防法施行規則第28条の2、第28条の3
法別表第一(い)欄(一)項から(四)項までに掲げる用途に供する特殊建築物の居室、階数が三以上で延べ面積が500㎡を超える建築物の居室、第116条の2第1項第1号に該当する窓その他の開口部を有しない居室又は延べ面積が1000㎡を超える建築物の居室及びこれらの居室から地上に通ずる廊下、階段その他の通路(採光上有効に直接外気に開放された通路を除く。)並びにこれらに類する建築物の部分で照明装置の設置を通常要する部分には、非常用の照明装置を設けなければならない。
2.【設置基準】
・設置が必要な対象物は次のとおりです。
①建築基準法別表第一(い)欄(一)項から(四)項までに掲げる用途に供する特殊建築物の居室
| (一) | 劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場その他これらに類するもので政令で定めるもの |
| (二) | 病院、診療所(患者の収容施設があるものに限る。)、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎その他これらに類するもので政令で定めるもの |
| (三) | 学校、体育館その他これらに類するもので政令で定めるもの |
| (四) | 百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場その他これらに類するもので政令で定めるもの |
②階数が三以上で延べ面積が500㎡を超える建築物の居室
③建築基準法第116条の2第1項第1号(面積(第20条の規定より計算した採光に有効な部分の面積に限る。)の合計が、当該居室の床面積の1/20以上のもの)に該当する窓その他の開口部を有しない居室又は延べ面積が1000㎡を超える建築物の居室及びこれらの居室から地上に通ずる廊下、階段その他の通路(採光上有効に直接外気に開放された通路を除く。)並びにこれらに類する建築物の部分で照明装置の設置を通常要する部分
・ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物又は建築物の部分については、この限りでない、とされています。
| 一 | 一戸建の住宅又は長屋若しくは共同住宅の住戸 |
| 二 | 病院の病室、下宿の宿泊室又は寄宿舎の寝室その他これらに類する居室 |
| 三 | 学校等 |
| 四 | 避難階又は避難階の直上階若しくは直下階の居室で避難上支障がないものその他これらに類するものとして国土交通大臣が定めるもの |
3.【構造】
非常用の照明装置は、次の①、②のいずれかに定める構造としなければならないとされています。
①次に定める構造とすること。
| 照明は、直接照明とし、床面において一ルクス以上の照度を確保することができるものとすること。 【常温下で床面において水平面照度で一ルクス(蛍光灯又はLEDランプの場合は二ルクス)以上を確保できるもの】 |
| 照明器具の構造は、火災時において温度が上昇した場合であっても著しく光度が低下しないものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとすること。 |
| 予備電源を設けること。 |
| 上記に定めるもののほか、非常の場合の照明を確保するために必要があるものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとすること。 |
②火災時において、停電した場合に自動的に点灯し、かつ、避難するまでの間に、当該建築物の室内の温度が上昇した場合にあっても床面において一ルクス以上の照度を確保することができるものとして、国土交通大臣の認定を受けたものとすること。
・照明器具は、耐熱性及び即時点灯性を有するものとして、次のイからハまでのいずれかに掲げるものとしなければならない、とされています。
| イ | 白熱灯(そのソケットの材料がセラミックス、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂又はポリブチレンテレフタレート樹脂であるものに限る。) |
| ロ | 蛍光灯(即時点灯性回路に接続していないスターター型蛍光ランプを除き、そのソケットの材料がフェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、メラミン樹脂、メラミンフェノール樹脂又はユリア樹脂であるものに限る。) |
| ハ | LEDランプ(次の(1)又は(2)に掲げるものに限る。) (1)日本工業規格C八一五九―一(一般照明用GX一六t―五口金付直管LEDランプ―第一部:安全仕様)―二〇一三に規定するGX一六t―五口金付直管LEDランプを用いるもの(そのソケットの材料がフェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、メラミン樹脂、メラミンフェノール樹脂又はユリア樹脂であるものに限る。) (2)日本工業規格C八一五四(一般照明用LEDモジュール―安全仕様)―二〇一五に規定するLEDモジュールで難燃材料で覆われたものを用い、かつ、口金を有しないもの(その接続端子部(当該LEDモジュールの受け口をいう。第三号ロにおいて同じ。)の材料がセラミックス、銅、銅合金、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリフタルアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、メラミン樹脂、メラミンフェノール樹脂又はユリア樹脂であるものに限る。) |
・予備電源は、自動充電装置時限充電装置を有する蓄電池又は蓄電池と自家用発電装置を組み合わせたもの(常用の電源が断たれた場合に直ちに蓄電池により非常用の照明装置を点灯させるものに限る。)で充電を行うことなく30分間継続して非常用の照明装置を点灯させることができるものとされています。
4.【FAQ】
Q1. 避難施設等とはどういったものか?
建築基準法施行令第13条で定められており、避難施設、消火設備、排煙設備、非常用の照明装置、非常用の昇降機又は防火区画をいいます。
Q2. 消防法令との関係は?
誘導灯及び誘導標識を設置することを要しない防火対象物又はその部分として、消防法施行規則において基準が定められています。
・令別表第一(1)項から(16の3)項までに掲げる防火対象物の階段又は傾斜路のうち、非常用の照明装置(消防庁長官が定める要件に該当する防火対象物の乗降場(地階にあるものに限る。)に通ずる階段及び傾斜路並びに直通階段に設けるもの(消防庁長官が定めるところにより蓄光式誘導標識が設けられている防火対象物又はその部分に設けられているものを除く。)にあっては、60分間作動できる容量以上のものに限る。)が設けられているもの。
・屋内から直接地上へ通ずる出入口又は直通階段の出入口に掲げる避難口に通ずる廊下又は通路に設ける防火戸で直接手で開くことができるもの(くぐり戸付きの防火シャッターを含む。)がある場所には避難口誘導灯が必要ですが、自動火災報知設備の感知器の作動と連動して閉鎖する防火戸に誘導標識が設けられ、かつ、当該誘導標識を識別することができる照度が確保されるように非常用の照明装置が設けられている場合を除く。とされています。
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