行政書士法とは?|消防法令の定義を解説

行政書士法とは、行政書士の業務内容や資格要件を定めた法律で、官公署に提出する書類の作成などに関する規定がまとめられています。

このページでは、行政書士以外が報酬を得て消防関係書類を作成することの可否、行政書士と消防設備士の役割の違いなど、消防法令と密接に関係する部分を中心に解説します。

1.【行政書士法上の定義】

行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。以下この条及び次条において同じ。)その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする。

2.【条文】

行政書士法第1条の3(昭和26年法律第4号)

消防法令に基づく各種手続における行政書士法違反の防止について(通知)(令和7年2月25日)

※通知内では、「行政書士法第1条の2」と書かれていますが、令和8年1月1日に行政書士法が改正され、行政書士法第1条の3に変わりました。

3.【解説】

・行政書士は他人の依頼を受け、報酬を得て官公署(消防署)に提出する書類を作成します。(独占業務)

・行政書士又は行政書士法人でない者は、他の法律に別段の定めがある場合等を除き、業として行うことはできません。(無資格営業の禁止)

・行政書士が作成した書類(電磁的記録を除く。)については、記名及び職印の押印が義務付けられています。

・行政書士又は行政書士法人でない者は、他の法律に別段の定めがある場合等を除き、他人の依頼を受け「会費」「手数料」「コンサルタント料」「商品代金」等いかなる名目によるかを問わず、対価を受領して、業として行うことはできません。

・その他、行政書士は次のことを行うことができます。

官公署に提出する書類について、その提出の手続及び当該官公署に提出する許認可等に関して行われる聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続において当該官公署に対してする行為(弁護士法第72条に規定する法律事件に関する法律事務に該当するものを除く。)について代理すること。
行政書士が作成することができる官公署に提出する書類に係る許認可等に関する行政庁に対する不服申立ての手続について代理し、及びその手続について官公署に提出する書類を作成すること。(特定行政書士のみ)
契約その他に関する書類を代理人として作成すること。
行政書士が作成することができる書類の作成について相談に応ずること。

4.【届出書類】

・消防法令に関するほとんどの届出に関して、書類を作成することができます。

(防火管理者選解任届・消防計画作成届・着工届・設置届・消防用設備等点検結果報告書・予防規程・火災予防条例に関する届出等、その他)

←防火管理者とは?

←消防計画とは?

←着工届とは?

←設置届とは?

←消防用設備等点検結果報告書とは?

←予防規程とは?

←火災予防条例とは?

 

・確認申請(消防同意)に関しては、建築基準法により建築士が申請するものです。

←消防同意とは?

5.【行政書士登録】

行政書士となる資格を有する者は次のとおりです。

(1) 行政書士試験に合格した者
(2) 弁護士となる資格を有する者
(3) 弁理士となる資格を有する者
(4) 公認会計士となる資格を有する者
(5) 税理士となる資格を有する者
(6) 国又は地方公共団体の公務員として行政事務を担当した期間及び特定独立行政法人又は特定地方独立行政法人の役員又は職員として行政事務に相当する事務を担当した期間が通算して20年以上(学校教育法による高等学校を卒業した者などにあっては17年以上)になる者

6.【FAQ】

Q1. 行政書士登録していないが、行政書士となる資格を有している場合は書類作成しても問題はないか?

登録していなければ業務はできません。

上記の行政書士となる資格を有していても、各都道府県の行政書士会を経由して、日本行政書士会連合会の登録を受けて行政書士とならなければ、業として書類作成をすることはできません。

〇第6条 行政書士となる資格を有する者が、行政書士となるには、行政書士名簿に、住所、氏名、生年月日、事務所の名称及び所在地その他日本行政書士会連合会の会則で定める事項の登録を受けなければならない。

〇第19条 行政書士又は行政書士法人でない者は、他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て、業として第1条の3に規定する業務を行うことができない。ただし、他の法律に別段の定めがある場合及び定型的かつ容易に行えるものとして総務省令で定める手続について、当該手続に関し相当の経験又は能力を有する者として総務省令で定める者が電磁的記録を作成する場合は、この限りでない。

 

Q2. 行政書士であればどんな書類でも作成できるの?

行政書士は、官公署への書類の作成であっても、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができない、とされています。

そのため、消防用設備等の工事・整備・点検に関する書類に関して、実際に業務を実施した有資格者の依頼により書類を作成することはできますが、消防法令関連の資格を有していない行政書士は、直接点検等を行い書類を作成することはできません。

←消防設備士とは?

←消防設備点検資格者とは?

←防火対象物点検資格者とは?

←防災管理点検資格者とは?

 

Q3. 消防関連の資格を有しているから書類作成をしてもいいの?

消防関連の資格を持っていても他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て官公署へ提出する書類の作成はできません。

ただし、着工届の届出者は甲種消防設備士となっています。

また、試験結果や点検結果の内容については有資格者等の実際に試験や点検を行った者が作成します。

 

Q4. 行政書士に頼まず、自分で書類を作成してもいいのか?

自分で書類を作成することは全く問題ありません。

 

Q5. 書類作成料という名目でなければ問題ないか?

行政書士又は行政書士法人でない者は、他の法律に別段の定めがある場合等を除き、他人の依頼を受け「会費」「手数料」「コンサルタント料」「商品代金」等いかなる名目によるかを問わず、対価を受領して、業として行うことはできません。

 

Q6. 作成した書類を官公署へ届出することも、行政書士でなければならないか?

書類を作成することは行政書士の独占業務とされていますが、届出することに関しては独占業務とはされていません。

 

Q7. 行政書士以外が官公署へ届出する書類を作成した場合、罰則はあるのか?

違反した場合はその行為者に1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金が科されるとともに、その法人又は個人に対しても100万円の罰金が科されます。

 

【参考】

日本行政書士会連合会

 

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