防火ダンパーとは、火災時にダクト(風道)を自動的に閉鎖し、煙や炎が区画を越えて広がるのを防ぐ装置です。
建築基準法施行令に基づき、防火区画を貫通するダクトには原則として設置が義務付けられています。
空調設備・換気設備が普及した現代建築では、ダクトを通じて煙が一気に広がる危険があるため、防火ダンパーは建物の安全性を左右する重要な設備です。
1.【条文】
建築基準法2条9号の2(防火設備の定義)
建築基準法施行令第109条の(防火設備の技術的基準)
建築基準法施行令第112条(防火区画の構造)
【建築基準法施行令第112条第21項】
換気、暖房又は冷房の設備の風道が準耐火構造の防火区画を貫通する場合においては、当該風道の準耐火構造の防火区画を貫通する部分又はこれに近接する部分に、特定防火設備であって、次に掲げる要件を満たすものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものを国土交通大臣が定める方法により設けなければならない。
1 火災により煙が発生した場合又は火災により温度が急激に上昇した場合に自動的に閉鎖するものであること。
2 閉鎖した場合に防火上支障のない遮煙性能を有するものであること。
2.【解説・その他】
・防火ダンパーは、多区画建物のダクト、防火区画を貫通する空調ダクト、特定防火設備・防火設備で区画された部屋を貫通するダクト、竪穴区画(階段室・エレベーターシャフト等)を貫通するダクト、排煙設備と空調設備が混在する場合の接続部等に設置されます。
・防火ダンパーには温度ヒューズにより閉鎖するもの(FD)と、煙感知器等で感知し電動で閉鎖するもの(SFD)があります。
・防火ダンパーの温度ヒューズには、用途に合わせて異なる設定温度が存在しますが、一般空調や事務室の換気ダクトには、通常72℃のヒューズが使用されます。
・以前は建築基準法施行令第112条第16項でしたが、法令改正等により現在は第21項になっています。
・防火設備の点検は「防火設備検査員」が行います。資格講習等は一般財団法人日本建築防災協会が実施しています。
・防火設備検査員制度は、防火設備の閉鎖不良による重大火災が相次いだことを受け、平成26年の法改正で創設されました。
・防火設備の点検報告は建築基準法令で定められています。
3.【FAQ】
Q1. 防火ダンパーという言葉はどこで出てきますか?ドレンチャー設備とは?|消防法令の定義を解説ドレンチャー設備とは?|消防法令の定義を解説
防火区画を貫通する風道に設ける防火設備の構造方法を定める件で出てきます。
Q2. 防火ダンパーは常時閉鎖しているタイプはあるのか?
風道(ダクト)に設けられるダンパーは、換気等に使用されるため、基本的に開放されています。開放されたまま火災が発生すると火炎の通り道となるため、熱や煙で閉鎖します。
Q3. 防火設備の点検は資格が必要なのか?
はい。 平成26年の法改正により、防火設備検査員が点検を行うことが義務化されました。 消防設備士では代行できません。
4.AIによるイメージ図

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